こちらのページでは、遺産として農地や生産緑地を承継した場合の評価方法について解説いたします。
農地の評価方法
農地の評価方法は農地の種類によって計算の仕方が異なります。
農地法等によって宅地への転用に制限がある農地は、所有者が土地の使用方法を自由に決められるものではありません。評価額は下記の式にあてはめて計算します。
※宅地造成費:農地を宅地へと転用する際に必要と考えられる費用のこと。概ね、同一地域ごとに国税局長によって決められています。
貸し付けられている農地の評価方法
貸し付けられている農地とは耕作権(農地を耕作する権利のこと。農地の所有するものに小作料を払う)や賃貸借等の設定がされている土地のことです。 土地の利用に制限が設けられている農地のため、ほとんどの場合、自用地としての農地の評価額より低くなります。
ただし、耕作権は物権としての「永小作権」か賃借権としての「小作権」であるかによって、評価方法が異なりますので注意が必要です。
耕作権
※耕作権の設定されていない場合の農地の価額に対する、その農地に係る耕作権の価額の割合
- 耕作権を目的とする農地を貸している側の評価方法
- 永小作権を目的とする農地自体の評価方法
- 区分地上権を目的とする農地自体の評価方法
生産緑地の評価
生産緑地とは、市街化区域内にある「生産緑地地区」として指定された農地のことを指します。計画的に農地を保全するために規定されたものであり、相続税評価額を算出するための評価方法は以下のとおりです。
- 買取りの申し出が行われていたもしくは買取りの申立てができる生産緑地の評価方法
- 市区町村へ買取りの申立てができない(課税時期において)生産緑地の評価方法
山林の種類と評価方法
- 宅地比準方式
※「宅地造成費」とは、仮に農地を宅地へ転用するとした際に発生する土盛費、整地費、伐採費、地盤改良費などの費用のこと。都道府県ごとに基準が設けられている。
- 倍率方式(倍率が規定されている市街化区域内の山林のケース)
広大な市街地山林の評価方法
対象である市街地山林の宅地かつ地積が「地積規模の大きな宅地の評価」の要件にあてはまる場合、その評価方法を採用します。
保安林の評価
森林法により、立木の伐採や土地の使用方法について制限がある土地に関しては、保安林の評価を用いて評価します。
山口相続遺言相談センターでは税理士の独占業務は、パートナーの税理士が担当しております。当相談室では専門家と連携をしてワンストップでお客様のお手伝いをさせていただいております。