相続手続きの進め方

相続が発生したらまず、遺言書の有無を確認する必要があります。遺言書が残されていた場合、基本的には遺言書が最優先され、その内容に沿って遺産分割を進めます。

被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍を取得し、それを参考に相続人を特定します。引っ越しや、結婚により転籍したことがある場合には、一つの自治体で全てが集まることは少なく、転籍先の各自治体から取り寄せる必要があります。これらの戸籍は、役所窓口で取得可能ですが、遠方だった場合には郵送でのやり取りとなるので時間がかかります。
取得した戸籍を参考に相続人が確定したら、相続関係説明図を作成します。取得した戸籍と作成した相続関係説明図は、金融や不動産等の名義変更手続きで必要になるので大切に保管してください。

被相続人の相続財産の調査を行います。 相続財産には、借金や住宅ローンなどのマイナスの財産も含まれますので、漏れのないように調査を行います。 調査終了後には、財産の内容が一目で分かるように財産目録を作成します。

相続人は、単純承認、相続放棄、限定承認からどのように相続をするか選択する必要があります。
相続放棄や限定承認は、期限が設けられており、被相続人が亡くなったことを知った日から3か月以内に家庭裁判所にて、申述を行う必要があるので注意が必要です。 もしも、3か月以内の期限を過ぎてしまった場合、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産もすべて相続する単純承認とみなされてしまいます。

遺産分割協議書を作成するにあたって、相続財産をどのようにぶんかつするか相続人全員で話し合う遺産分割協議を行う必要があります。 この協議は相続人全員が参加する必要があり、誰か一人でも欠けていた場合は、協議内容は無効となりますので注意が必要です。

相続した不動産や有価証券、金融資金など名義を変更する必要があります。

財産の合計価格によっては相続税の申告が必要となり、相続税申告・納税は相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。
この期限を超過した場合には、ペナルティが課されますので注意しましょう。
相続発生後、相続人確定のための調査から名義変更完了まで、少なくとも3か月は時間を要します。