家族信託における委託者とは、財産の所有者であり、委託者自身で決めた受託者との信託契約を設定する人です。受託者にはご家族など信頼できる人が設定されることが多く、信託契約とは、信託する目的・受益者・契約期間等のことをいいます。なお、委託者は受託者を依頼する際、受託者が背負うことになる様々な権利と義務などといった受託者としての責任の重さについてきちんと説明しなければなりません。
家族信託の仕組み
- 委託者…財産の所有者かつ、受託者との契約内容を設定する人
- 受託者…委託者の財産を管理、運用、処分する人
- 受益者…信託契約によって運用利益などを得る者
※受益者は、委託者の併任も可能です。
なお、委託者は受託者に信託後、受託者の役割について監督的な立場になることが多く、場合によっては受託者の解任を行います。また、受託者が欠けた場合の選任なども行います。
委託者がもしもの場合
委託者が死亡した際は、委託者の地位は相続されます。この場合、相続人が複数名いる相続では信託が複雑になる恐れがあるため、信託契約時に「委託者の死亡時は委託者の地位は承継しない」等の規定を設けておく必要があります。
なお、委託者が受益者を併任している場合は、委託者が死亡した場合に備えて第二受益者を決めておき、第二受益者の財産も信託財産へ追加できるように設定することも可能です（受益者連続型信託）。
